理由などいらないと努力し続けているか

理由などいらない

2011年3月24日。

今年の東京湾大華火祭が、被災地の状況を考慮し中止することが発表された。

また、花火大会だけでなく、直近のイベントだけでもなく、都内だけでも様々なイベントが中止を発表している。

14歳の夏休み、ほぼ毎日仲間と一緒にいた。

そんな夏休み終盤のある日。

その日も仲間の一人が集合をかけた。

毎日当たり前のようにツルんでいたこともあり、若干皆ダルそうに集まった。

その集合をかけた男は、たまり場のソファーにドテンと座っていた。

終盤になり、夏を満喫してきた結果、もうやり尽くした感があったのかもしれない。

だから、皆何か集まる理由や、面白いことがあるから集合がかかったのだと思っていた。

だが当事者は、全員揃っても別に何も言わない。

たまりかねた一人が「で、どうした?」と聞くと、その男は逆にびっくりした顔で「え?何もないけど」と言った。

中学の時なんて、ほぼ何もないが集まっていた。

だが、やり尽くした感があった以上に、その男のキャラなどもあり、その言葉を聞いた瞬間、皆立ち上がり、理由もなく集合をかけた男に罵声を浴びせ解散した。

それから10数年。

それが原因ではなく、理由もなく集まることは少なくなった。

ある男は最近まで忙しいフリをしていたし、どこかで皆、何かの言い訳がないとと思い始めたのかもしれない。

そんな私達だが、花見という言い訳の元、4月上旬に全体としては三ヶ月ぶりに集まる。

こんな時だからこそ・東京で日々を過ごしているからこそ、自分達に決定権のある身内のイベントなどは自粛せず、いっぱいお酒を飲んで消費しようと思う。

例え雨が降ったとしても、そこに桜など咲いていなかったとしても。

今は理由などいらない。

30年後

そして、今日はある経営者の方とランチを共にした。

そこで、その方が経営者になったばかりのことを色々話してくれた。

経営者になって、お酒の席に誘われることが増えたが、その方は昔から体質的にお酒が全く飲めなかった。

けど、このままじゃダメだと思って、養命酒を毎日一口飲んで酒を飲めるようになろうとしたらしい。

けど、すぐに吐いてしまって養命酒は諦め、次は梅酒の梅だけを毎日一個ずつ食べることにしたと。

だが、それでもダメで、自分は本当にお酒がダメなんだと気づいて開き直り、そこからお酒は飲まなくても、お酒の席で誰よりもはしゃぐことに集中したそうだ。

それからすぐに、色んな人に「もう酔ってるんですか?」と言われるようになり、お酒は飲まないのに、お酒の席に呼ばれるようにもなり、そんな席で多くのビジネスチャンスを得たそうだ。

「お前も努力し続けろよ」という言葉の後に、「ちなみに、今俺の努力してること知ってるか?」と聞かれた。

「何ですか?」と聞き返した私にその方は「筋トレ。だって、ガタいが良い方が、経営者として迫力出るだろ」と笑ってカッチカチの胸筋を触らせてくれた。

この方、50代後半である。

30年後も、私は努力をし続けているだろうか?

そのためにも、今この瞬間を大切に生きていこうと改めて思ったランチタイムだった。