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バナナで全て解決出来たなら

最初からおかしいと思った。

幽霊屋敷のような外観。

真っ黒に汚れたスリッパ。

待ち時間0分。

来るんじゃなかったと思いながら、おばあちゃんが私の名前を呼んでいる。

行かなければ…

生まれて初めての経験

2009年12月24日(木)、毎日の寝不足に加え、ここ数日体調が悪かった。

そんな中、この日の朝の電車で、あー吐きそうと思った数秒後に初めて意識が飛んでぶっ倒れた。

気付くと中年の男性が席を譲って座らせてくれていた。

終着駅に着いてなんとか電車を降りたが、歩くことが出来ず座りこんだ。

あまり汗はかかない方なのだが汗びっしょりだった。

駅員さんが声をかけてくれて、少し横になり会社に向かった。

会社のみんなに病院に行った方がいいと言われ、病院嫌いの自分も、フットサルのメンバーからインフルエンザが出たこともあり、さすがに今回は行った方が良いと思い、夕方の打合せが終わった足で、遅くまでやっている病院を調べ、数年ぶりに病院に行った。

それが上記の幽霊屋敷のような病院だった。

私以外患者がいなかったため、受付を終えるとすぐに呼ばれた。

そして白髪のおじいちゃんが私を待っていた。

「どうした?」との問いに、ここ数日の状態と今朝の件を話すと

「バナナ食べたか?」と聞かれた。

「…いやー食べてないですけど」

「だからだ、朝はバナナ食べないとダメだよ」

「明日から毎朝バナナと甘いものを食べなさい。以上!」

「…ありがとうございました」

私はゴリラか、青果店のまわしモノとでも話したのかと思いながら幽霊屋敷を後にした。

せめて処方箋でバナナ出せよと思いながら…

<二度と病院には行かない>

今強くそう思う。