経営者の先輩でもある祖父

そんな男に

2010年1月19日。

今日は千代田区での打ち合わせの後、20分そこそこの空いた時間で、同じく千代田区にある母方の祖父母に会いに行ってきた。

残念ながら祖母は外出していたのだが、祖父に会えた。

私が生まれてから初めて<男としてカッコイイ>そう思った人物である。

92歳になるのだか、そんな年齢を感じさせず、歯は全て自分の歯である。

弱音など一切吐かない男でもある。

そして、祖父も80歳近くまで経営者であった。

社員が手渡しされた給料をその日に無くしたと言えば、もう一度給料を渡す。

そんな人情に溢れた経営者だったと元従業員さんから直接聞いた。

多分私は潜在的に祖父が経営者だったということを意識してきたと思う。

寡黙な男であるが、無言の優しさでいつも包んでくれていた。

エピソードを書けばきりがないが、一つあげるとすれば、私は小学生の頃、片目の視力を失うケガをした。

長期間入院したのだか、その時も祖父は一日も欠かすことなく、電車で毎日お見舞いに来てくれた。

特に何を喋る訳でもなく、毎日傍にいてくれた。

入院していた影響で行けなかった修学旅行の場所にも連れて行ってくれた。

そのことはケガのことなど忘れて日々を送っている今も忘れることはない。

そして今も強く、<こんな男になりたい>そう思っている。

今も祖父母は2人で暮らしている。

祖母は数年前からアルツハイマーになってしまったのだが、祖父の愛情により、それまでと変わらない日々を送っている。

それまでは、あまりそんな話しはしない人だったのだが、「あいつは最後まで俺が看る」と家族に宣言し、「夫婦二人で暮らせる幸せはかけがえがない」と二人仲睦まじく暮らしている。

男として、最高にカッコイイと思ってきたが、一人の女性を守り続けるその姿に、その思いはさらに強くなっている。

そんな祖父母が3月でダイヤモンド婚式を迎える。

ささやかでも、お祝いをしてあげようと思っている。

小さい頃から、身近にこんなカッコイイ男がいたことを、心から感謝している。

いつもそんな男の背中を見てきた気がする。

まだまだ20代半ばの小僧だが、そんなカッコイイ男に少しでも近づきたい。

そう思っている。

社員に背中で示せるような、そんな男に。