仕組みづくり
2010年1月26日。
今日ランチの時に近くの席で、「ピーマン食べるまで帰らない」という母親と、その言葉に絶望感たっぷりの表情をしている子供がいた。
私は今、食べれないモノはない。
だが小さい頃は嫌いなモノが多かった。
以前、人間は子供の頃から5つの味を順番においしいと感じるようになると知った。
①甘味 ②旨味 ③塩味 ④酸味 ⑤苦味
冒頭の子供もいつかピーマンが食べれるようになるだろう。
ただ、私が言いたいのは、今無理矢理ピーマンを食べさせることを否定したい訳ではない。
確かにピーマンは早いうちから食べれた方がいいだろうし、母親も子供のためを思って食べさせようとしているのだろう。
私がその親子の風景を見ていて思い出したのは<名選手必ずしも名監督にあらず>という言葉だ。
別に母親は名選手ではないと思うが、きっとピーマンは食べれるだろう。
そして冒頭の母親がどうこうではなく、ビジネスの世界でも<名選手必ずしも名監督にあらず>はよく見受ける。
特に営業出身の社長さんが自社の営業マンに対する考え方等で。
人間は人それぞれ皆違う。
そして社長さんが営業マンだった頃と時代も違う。
それは同じ商品を売るということでも、方法は変わってくるということだ。
「なぜ俺の言うとおり営業してこないのか」とか「なぜ経営者の俺より営業マン達のほうが数字が上がらないのか」などど相談されたことがあるが、そもそも営業マンと社長さんでは肩書が違う。
その違いさえ理解していない経営者もいる。
大切なことは自分と同じ型にはめることではなく、どんな営業マンでも自分と同じ結果を出せる仕組みを作ることだと思う。
そして、それぞれの社員の特性を見つけることは、経営者としてとても重要だと思っている。
特性を見つけられれば営業方法だけではなく、社員のやる気を上げる方法等にも繋がる。
もっと言えば、知れば変えることだって出来るだろう。
もちろん社員側もマニュアル人間ではなく、その仕組みをしっかり理解し、どうアレンジするかが大切だと思うが。
小さい頃、よく母親は私が食べれないモノを料理に細かく切って入れていた。
かなりの手間だったと思うがいつも努力してくれていた。
時に食べる前に気付いてしまうこともあったが、気付かず食べた私に最後に発表し自信をつかせる。
「食べれるじゃん!」と。
「食べなさい」と言われて「分かりました」と食べるような素直な子供ではなかったのだろう。
そんな私の特性を理解した母親の行動もあり、きっと今食べれないモノが無いのだと思う。
冒頭の子供は母親との数十分の沈黙との戦いを制し「じゃー、一切れ食べたら」という妥協案を飲み、目を閉じて一切れを口に入れた。
その姿に思わず微笑んだ。
ただ、母親ではなく子供の方が母親の特性を見つけてしまっただろう。
「一切れ食べたら」という妥協案を提示したことによって。