上場についてと担った男

お父さん

2010年4月23日。

今時点で、私達は上場を考えていない。

その理由は、書き出せば長くなるので今日は割愛するが、上場は考えていないが、昔から抱いていた将来的な目標の中に、<社員が対外的にも誇りを持てる会社に>という考えがある。

例えば社員が結婚を申し込みにご両親に挨拶に行った時、お父さんに、働いている会社を理由に結婚を許されなかったなど、絶対にさせたくない。

ただ、上場していなくても素晴らしい企業はある。

「あの会社で働きたい」=上場企業ではない。

そんな企業であれば、お父さんも許してくれるだろう。

また、「上場しているから」。

そんな理由だけで弊社に入社する社員は求めていない。

だから我々が目指すのは、上場よりも、そんな企業になることである。

また、それを実現することが、上場企業で働くことに何の価値も感じてこなかった、自分なりの回答にもなる気がする。

そして、上記考えに、多少なりとも影響を及ぼした男がいる。

担った男

その人は、<日本経済の発展の一翼を担う>。

そんな気持ちで仕事に取り組んでいる。

その人は今、アイスランドの火山噴火により、来月予定しているヨーロッパ旅行がどうなるかドキドキしている。

その人は、私が知る限りでは私の父親だ。

昔、母親から聞いたことがある。

父親が仕事にとても誇りを持っていて、日本経済の一翼を担っているという気持ちで働いていると。

父親が勤務する企業を考えれば大袈裟ではないが、その時は「へー」位なリアクションだった気がする。

そんな誇りを持ちながら働いてきた男は、60歳を超え、もう年金受給年齢になりそうだが、今でも海外を飛び回り、土日も仕事をし、先日の日曜は会社が清掃で入れなかったと、落ち込んで帰ってきたそうだ。

息子という立場として、父親は超えなければならないと思ってきた。

何をもって超えるというのかは分からないが…

だがサラリーマンという同じ土俵に立ってみて、反抗期にはその人生を否定をしたこともあったが、改めて父親の凄さを実感し、冒頭の意味も理解し、その姿勢に共感した。

そして、同じ土俵で戦って勝つのは難しいかもとも感じた。

だからという訳ではないが、違う土俵で父親超えに挑戦したいと思う。

そんな男も、そろそろ定年を迎えようとしている。

定年後は、40年以上仕事に全力投球してきたように、第二の人生も全力で楽しんでほしいし、その日を迎えた際には、お疲れ様という言葉を改めて言おうと思っている。

そして、まず今日は、誕生日おめでとうという言葉を伝えたい。

どれだけ日本経済の発展に貢献したかは私には分からないが、真逆の人生を歩んでいた私の心を動かしたことは、間違いないという言葉を添えて。