初めての商談当日
2010年9月13日(月)、起業前ではあるが、初めての商談を迎えた。
約束の時間よりも随分前に到着し、先にカフェで待っていようとしたら、ちょうど内村から連絡があって、合流し二人で店に入った。
関係のないことなども話しながら待っていると、約束の時間になり、お相手は背後から現れた。
この日、私が次のMTの時に持ってきてと依頼していたCDは持ってきてくれたくせに、名刺を忘れた男が約一名いたが、まずは名刺交換を行った。
先にこちらから何点か質問させて頂いた後、企画提案書をお渡し、プレゼンに入った。
終始、相手方の表情を見ていたのだが、緊張のような、そして距離を置いたような感じだった。
そして相手方から質問というより指摘が入った。
その指摘箇所を正直我々は甘く考えていた。
だが話を進めるにあたり、だからこそ、利害が一致することに気付いた。
その後は互いに質問し合ったりする中で、雰囲気も和んでいった。
最後には、言い残したと思うことが無いように、自分達の想いを伝えた。
まだまだ再考しなければならない部分があったのは痛いほど実感したが、本気であることは伝えたかった。
最後に今自分達が一番自信を持っている部分を話すのは、自然な成り行きだった。
最後の方には、相手方のお一人が占いが出来るそうで、提案書の一枚目に記載した我々の自己紹介欄を見ながら、商談中に私達の名前・生年月日から占ってくれたみたいで、少し驚いたような表情で「お二人、すごく相性がいいですよ!」と言われた。
さらに内村は今年から3年後まで昇り調子だそうで、私は来年からずっと上り調子だそうだ。
だから内村は「3年後に捨てられないように」と助言されていたので、私が「捨てます」としっかり答えて商談は終了した。
帰りの二人は、指摘されたことは真摯に受け止め反省もしたが、気持ちは晴れ晴れしていた。
充実していた時間だった。
今後にとっても貴重な時間になったことを、互いに実感していた。
一瞬広がった
そして、その商談を終えて御礼のメールを入れた3時間後だった。
返信のメールが入ってきた。
そのメールを見るなり内村に転送した。
転送した文章以外、自分の今の気持ちなど、何も追記しなかった。
そのメールを見てくれれば、私が今感じていることを、内村もすぐに感じるだろうと思ったからだ。
内村からすぐに電話が鳴った。
その瞬間に私は微笑んだ。
その返信メールの一部分を↓
>結構胡散臭い問い合わせや、提案が多いので
>お会いするまでは愛想のない対応をさせて頂いてましたが
>お目にかかって、お話しを伺って
>しっかり対応して頂けそうだと安心しました。
>ということで、これからは一緒にパートナーとして
>やっていきましょう。
本当はもっともっと長い文章なのだが、このメールを頂いた時、私は帰り道だったのだが、心の中で「よし!」と大きな声を出した。
もし隣に内村がいたら。この日は終電までに家には帰れなかっただろう。
過去の栄光にすがるような人生は生きたくない。
だから、すがるつもりはまったく無いが、この喜びは薄れていくことはあっても、消えることはない気がする。
そして、これはゴールではなく、始まりの、、、スタートラインに着く許可を得れただけということは分かっている。
まだ正式な契約書も交わしていない。
だが、まずは正直に嬉しかったし、今日の今日ということも嬉しかった。
今週、まだ他に商談が入っている。
その商談に向けても、とてもいい追い風だと思う。
この日、初めてとなった正式な商談が、私達にとっての初めての契約の方向に。
今日一日は喜びをかみしようと思った。
そして明日からは、この日指摘された部分の再考や、新たなカードも引き続き考えなければならない。
まだ何も得ていない。
そして、我々が目指しているのは契約ではない。
目指す場所はもっともっと先にある。
だがそのメールを見た瞬間、遠く遠くにある目標までの視界が、一瞬広がった気がした。